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不動産を売却せずに担保にする
不動産売却は避けたいけど、現金が必要な方には、「不動産担保ローン」がおすすめです。
メリット・デメリットや、活用事例、実際の利用手順などもご紹介していくので、是非選択肢の一つに考えてみてください。
不動産担保ローンとは
「不動産担保ローン」とは、不動産を担保にお金を借りる、ローン商品のことを指します。
一般的にお金を借りる時は、そのお金を返せなくなった場合に、お金の代わりに支払う「担保」が必要になります。
不動産担保ローンでは、その担保に、土地・建物といった不動産を用います。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンには大きく3つのメリットがあります。順にご紹介していきます。
借入金利が低金利
借りたお金の返済時には、少なからず利子がかかります。
不動産担保ローンは、担保に不動産を用います。
そのため、無担保ローンに比べて、大きな担保がある分、借入の利子が低くなるのが特徴です。
借入限度額が大きい
一般的なカードローンやビジネスローンでは、1,000万円程度が借入の限度額となります。
不動産担保ローンでは、不動産を担保にしているため、借入限度額が大きいのが魅力です。
限度額は担保である不動産の価値によって変動し、場合によっては、1億円以上のお金を借りることもできます。
長期間の借用可能
ローンの返済期間を長期に設定できるのもメリットの一つです。
返済期間の長い商品では、最長35年の長期返済が可能なものもあります。
ただし、返済が長期になるほど、利子も増えていくため、注意しましょう。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンにはデメリットも存在します。ここでは大きく3つご紹介します。
融資までに時間がかかる
担保である不動産の価値を調査・決定する必要があるため、融資までに時間がかかるのが難点です。
即日借入ができる無担保ローンに比べ、審査に数日、実際の融資開始に1週間ほどの時間が必要になります。余裕をもって借入を行いましょう。
手数料がかかる
不動産を担保とする際に、様々な手数料が発生するのもデメリットの一つです。
主にかかる費用を挙げると、
- 事務作業にかかる「事務手数料」
- 不動産の価格の鑑定にかかる「不動産鑑定費用」
- 課税文章に課税される「印紙代」
- 担保である不動産を金融機関が競売にかけることができる権利である「抵当権」の「登録費用」
- 上限金額内で何度もお金を借りて返済できる権利である「根抵当権」の「登記費用」
といった費用がかかります。
借入金額が少額の場合、不動産担保ローンのメリットである「低金利」が、手数料によって相殺されてしまう可能性もあります。
最終的にかかる金額が、無担保ローンと変わらなくなってしまう場合もあるので、注意しましょう。
返済できないと不動産を売ることに
ローンを返済できなかった場合、担保である不動産が、金融機関によって差し押さえられ、競売にかけられてしまいます。
金融機関は担保の不動産に対し、その不動産を売却できる「抵当権」を持っています。
返済が不可能であると判断された時点で、不動産を売却されてしまうので、気を付けましょう。
不動産担保ローンの活用事例
不動産担保ローンのメリット・デメリットを理解したところで、実際にどのようなケースで不動産担保ローンを活用できるのかをご紹介します。
悪化した資金繰りを改善
不動産の価値に応じて、高額の融資を長期間の返済で受けることができる、不動産担保ローン。
まとまった資金を手に入れることができ、返済が長期間であるため、悪化した資金繰りを改善する手段に使うことができます。
ただし返済が滞ると、担保の財産である不動産が差し押さえられてしまうため、しっかりと返済計画を立てましょう。
赤字決算でも融資を受けられる
一般的なローンの場合、赤字決算の状態では、融資を断られるケースがほとんどです。
しかし不動産担保ローンの場合、信用性の有無の判断基準が、担保である不動産に依存します。
よって、決算状況に関係なく、融資を受けることができます。
赤字決算でも融資を受けたい場合は、不動産担保ローンがおすすめです。
不動産相続時にも活用できる
不動産の相続時にも、不動産担保ローンを活用することができます。
例えば、相続する遺産が、住宅のような「物理的に分けることができない財産」である場合。
遺産である住宅を、相続人の一人が相続する選択肢をとってしまうと、ほかの相続人が遺産である住宅を相続できなくなってしまいます。
そうした場合、ほかの相続人の相続分を現金で払う「代償分割」という手段が存在します。
しかし、相続分の現金を用意するのはなかなか難しいと思います。
そこで、相続した家を担保にして、不動産担保ローンを借り、資金を調達することができるのです。
複数のローンのおまとめ
複数のローンを所持している場合、それをまとめて返済し、不動産担保ローンにひとまとめにすることができます。
不動産担保ローンは金利が低く、長期間の借入ができるため、月々の返済額を減らすことが可能です。
また、ローンがひとつにまとまるため、管理の手間を減らすこともできます。
ただし、借入額が大きいため、最終的な返済額が増える可能性もあります。よく考えて利用しましょう。
不動産担保ローン利用時のポイント
ここまで、不動産担保ローンについて詳しく見てきました。その特徴をおさらいすると、
- 不動産を担保にして借りるローンである。
- 多額の融資を受けることができる。
- 低金利で長期間の借入が可能である。
- 融資には査定などにより時間と費用がかかる。
- 返済ができなかった場合、不動産を失うことになる。
これらを踏まえ、不動産担保ローン利用時のポイントをまとめてみました。
- 融資に時間がかかるため、時間に余裕をもって申し込みを行う。
- 低金利である代わりに手数料がかかるため、本当に有効な融資になるかをきちんと計算する。
- 月々の返済が少なくても、長期になるにつれて利子が膨らむため、返済計画をしっかり立てる。
これらのポイントをしっかり踏まえて、不動産担保ローンを利用しましょう。
不動産担保ローンの申し込み方法
それでは、実際に不動産担保ローンを申し込む方法をご紹介します。
不動産担保ローンを借りられる場所は?
主に、銀行とノンバンクの2か所から借りることができます。
銀行は、信託銀行、信用金庫、信用組合、地域金融機関などが挙げられます。
ノンバンクとは、消費者金融やクレジットカード会社などの、銀行以外の金融機関のことを指します。
それぞれの不動産担保ローンの特徴は以下の通りです。
- 銀行…ローンの審査や条件が厳しいが、金利は比較的割安であることが多い。
- ノンバンク…ローンの審査や条件が緩やかであるが、金利が割高であることが多い。
ただし、銀行であってもノンバンクであっても、各金融機関によってローンの審査基準や金利はさまざまです。
銀行やノンバンクの特徴を理解したうえで、多数の金融機関を比較して、自分に合った不動産担保ローンを選ぶことが大切になります。
申し込みの流れ
申し込みの手順は以下の順番になります。
- 仮審査:金融機関のホームページなどで仮審査を申し込みます。
- 面接と本申込:金融機関の担当者と面談を行います。
- 審査:担保となる不動産の現地調査が行われます。
- 契約:審査に通ると、契約が成立します。
- 融資開始:融資が開始されます。
不動産担保ローンの必要書類
実際に申し込む際に、必要となる書類についてご紹介します。
- 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
- 印鑑証明書と実印
- 納税証明書と固定資産税納付書
- 収入証明書
- 担保不動産が確認できる不動産登記簿謄本
- ローン残高証明書
法人の場合は、上記に加えて、商業登記謄本・決算書類・事業計画書などが必要になります。
そのほかに必要となる書類は各金融機関によって異なるので、しっかり準備して臨みましょう。
不動産担保ローンの審査
不動産担保ローンの審査の基準は大きく2つあります。
信用力
1つ目は、融資を受ける個人や法人の「信用力」です。
不動産担保ローンでも、一般的なローンと同様に、本当にお金が返済できるかの信用力をチェックされます。主に審査のポイントとなるのは次の5点です。
- 収入:収入が多いほど信用力が増します。収入に対する返済額の割合である「返済負担率」も同時にチェックされます。
- 過去の返済状況:過去にローンを借りている場合、その返済状況も審査のポイントになります。何度も返済が滞った経験がある場合、信用力は下がります。
- 勤続年数:安定した収入が見込めるかどうかを、勤続年数で判断します。
- 年齢:個人の場合は、年齢も審査対象となります。不動産担保ローンは長期返済の商品であるため、年齢が高いほど、返済に対する信用力が低くなります。
- ほかの金融機関からの借入状況:ほかの金融機関からもローンを借りている場合、信用力は低くなります。
不動産の価値
審査の基準の2つ目は、担保となる「不動産の価値」です。
担保となる「建物」と「土地」の2点をそれぞれ審査し、評価を行います。
不動産の価値が高いほど審査に通りやすく、多額の融資を受けることができます。
審査基準は各金融機関によって異なりますので、チェックしましょう。